へ～こんな本出してたんや・・・と思いつつ読んだ本「熔ける」。
あの日本を一時ざわつかせた大王製紙元会長の井川意高氏の自叙伝です。
熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 増補完全版 (幻冬舎文庫)
紆余曲折あった方の本なので、なかなかオモロイ。
当時社員だった人はどういう気持ちで読むのか分かりませんが。
・・・読まないか？
会社法違反（特別背任）で逮捕された元会長
大王製紙の井川意高元会長と言えば、会社法違反（特別背任）で逮捕されたことで話題になった方。
ギャンブルで借金をし、巨額の会社のお金をつぎ込んで大王製紙から告発され、逮捕に至る。
2017年に刑期満了したらしい。
本書によると、会社に被害を与えた借入金は55億3000万円らしい。
意高氏は大王製紙創業者の孫なので、55億円くらい借金しなくても何とかなりそうな気もしますが、そういうことでもないのですね。
サブタイトルは井川意高の懺悔録となっているが懺悔の箇所は少ない
「熔ける」のサブタイトルは「井川意高の懺悔録」と書かれています。
なので懺悔が相当占めている本なのかと思いきや、懺悔しているっぽい箇所は少ないです。
意高氏の生い立ちから、東大に入ったこと、会社で苦労して実績を上げたこと、財界人や芸能人など著名人との交流関係が広かったこと、そしてカジノの話が、ズラズラズラ～ッと書かれています。
反省文も書かれてはいますが。
ただ思うに、懺悔の話ばっかりじゃページ数は稼げないでしょうし、面白くもないでしょうから、このような構成になったのは致し方ないと思います。
大企業創業者一族の幼少期の話とか、BMWが愛車だった東大の学生時代の暮らしとか、創業家の会社に入って社長になるまでの話とか、一般人が体験できるような事では全くないので興味深い話で面白い。
著者は大企業の創業家の子供でも甘やかされてないと本書では主張されてますが、一般的な家庭に比べるとめっちゃ恵まれてはいますよね。
大学生でBMWを買って貰えないですよ普通は。
金持ちの子供には裕福ではない子供の気持ちはわからんでしょう。
逆に自分には金持ちの子供の苦労は分からないし。
それはさておき、東大に入学しているくらいですから、優秀であることは間違いないでしょう。
コネで東大には入れないですから。
会社経営でもやり手の経営者だったらしいです。意高氏の仕事のやり方に悪口を言う社員はいなかっとのことです。
ギャンブルにさえ手を出さなければ・・・。
新橋の名店「京味」に通い詰める小学生
新橋に「京味」という割烹のお店があり、小学生の頃、通い詰めたそうです。
「京味」はあのグルメ漫画「美味しんぼ」にも取り上げられたことのある超有名店。
今では予約しても3ヶ月以上待ちなのだとか。
もちろん、意高氏の父親に連れられてとのことですが、やっぱ世界が違う。
私が子供の頃、親との贅沢な外食はデパートのレストランくらいでした。
ただ割烹の味って小学生に分かるのかな？
ホリエモンが実は優しい
意高氏はホリエモンとも交流があったそうです。
ホリエモンと言えばメデイアの前ではあの感じなので冷たい印象ですが、実は優しい方っぽいです。
意高氏が東京拘置所に収監された際に、ホリエモンが分厚い座布団を差し入れしてくれたそう。
東京拘置所の床は硬く、収監された時期が冬だったため、かなり助かったとのこと。
ホリエモンのイメージが変わりました。仲間には優しい人なのかもしれません。
芸能人との交流が凄い
意高氏は色んな芸能人たちとも交流があったらしい。
交流のあった芸能人は、宮沢りえさん、東尾修さん、二谷友里恵さん、ほしのあきさん、岩佐真悠子さん、あびる優さん、市川海老蔵さん、ジャニーズの面々などなど。
やっぱり一流企業の創業家の社長ともなると、芸能人とは顔見知りになるんですね。
業界が違うから面識はないのかと思ってましたが、夜に飲みに行く場所が似通っているので顔見知りになるんですかね。
東尾修さん、二谷友里恵さんとのテキーラ対決は凄い話でした。意高氏とこの二人、めっちゃ酒に強いです。
あと具体的な名前は書かれてなかったのですが、18歳未満だったはずの国民的女性アイドルグループの2人が西麻布のバーに現れたという話があって、誰だろうかと気になってしまいました。
誰だったんでしょうね。
まとめ
「溶ける」では意高氏の懺悔話は期待できませんが、一般人では体験できない話が盛沢山で、興味深いです。
当時の社員の心情を考えると微妙な内容ではありますが、読んでいて飽きないし、面白い読み物です。
【ビジネス】
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