世界的名作のガリヴァー旅行記(J・スウィフト)を読んでみました。
ガリヴァー旅行記の感想を一言で言うと、とにかく長い!!
いまさら、なぜガリヴァー旅行記を読んだかと言うと、小人の国の話しか知らないので、実際のところ、どんな内容なのか知りたかったため。
なので、福音館書店(福音館古典童話シリーズ 26)の本格的なガリヴァー旅行記の本(と思います)を読みました。
ページ数は586ページ。
厚さが約4.3センチ!読み終わるのに、かなりの時間を要しました。
内容は、有名な小人の国の話から、巨人の国の話、空飛ぶ島の国の話に、馬の国の話でした。
話には聞いてましたが、確かに社会風刺の話でした。
特に、空飛ぶ島の国の話と馬の国の話は社会風刺満載。作者のJ・スウィフトは社会にかなりの不満があったんでしょうね。
馬の国の話では、大丈夫かと思えるくらい人間批判が書かれてました。
ちなみに、馬の国の話は、フウイヌムという知性を持った馬が支配する国の話で、嘘や盗み、妬みなど悪いことの概念がない、人間社会とはまったく違った悪人がまったくいない理想郷。
ガリヴァーはこの気高いフウイヌムの国に感化され、人間が暮らす祖国には帰りたくないと思うほどに。
確かにガリヴァー旅行記に書かれてある人間の国だったら怖くて帰れなくなっちゃいます。
そんな悪者ばかりではないのだけど。
ちなみに、フウイヌムの国には理性と知性がない野蛮な人間に似たヤフーという生物が住んでいます。
ヤフーはかなり悪いイメージに描かれており、Yahoo!ってこのガリヴァーのヤフーが由来なのか心配になりました。
で、調べてみるとYahoo!は、やはりガリヴァー旅行記のヤフーが名前の由来のようです。
イメージ的に問題ないのかな?
浮かぶ島の国の人はラピュータ人が住んでいます。
天空の城ラピュタのモデルとなったことで有名ですね。
ONE PIECEのラフテルもラピュータをヒントにし、浮かぶ島ではないかという噂もあります。
ひょっとすると、ONE PIECEの天竜人の思想と反する巨大な王国とは、ガリヴァーの気高いフウイヌムの国がヒントとなっているかもしれないなと思いました。
物語の中には日本も登場します。
ちゃんと鎖国状態となっていてリアルな反面、当時の日本とはイメージもあり、興味深く感じました。
それにしてもJ・スウィフトという作家、想像力が豊ですね。
J・スウィフトの時代には火星の衛星については発見されていなかったにもかかわらず、天文学が発達したラピュータ人の話で出てくる話では未発見だった火星の二つの衛星が書かれていて、その衛星の軌跡まで正確だったそうです。
J・スウィフトは当時の天文学者のケブラーから情報を得たという説もありますが、それにしても凄い作家です。
ガリヴァー旅行記もいろいろな本がありますが、完全版を読むならこの福音館古典童話シリーズのガリヴァー旅行記がオススメです。小学校低学年以下の子供にはちょっときついかも知れませんが。
【ガリヴァー旅行記(J・スウィフト)】