またまた、鎌田洋氏のディズニーの神様シリーズの本を読んでみました。
今回は、「ディズニーありがとうの神様が教えてくれたこと」です。
鎌田洋氏のディズニーの神様シリーズの本は、値段が手ごろで読みやすく、エピソードは心がほんわか温まるものでハッピーな気持ちになり、更にディズニーの豆知識も得られるという、お得な本だと思います。
この「ディズニーありがとうの神様が教えてくれたこと」のエピソードは、3話。
- 虹色のミッキー
- 真冬の桜ふぶき
- 絆の糸電話
「虹色のミッキー」は、児童擁護施設で育ち、5歳の頃に養子として里親に引き取られたものの、この世に必要とされてないと思い込んでいる冷めた青年が、ディズニーランドのキャストの仕事を通じ、当たり前のことが幸せだったということに気づき、笑顔を取り戻すといったお話。
「真冬の桜ふぶき」は、入場制限でパークに入れなかった九州から来たお婆さんと孫のゲストと、その対応をした女性キャスト、その女性キャストと父親とのお話。
主人公の女性キャストと父親は、あることがきっかけで仲がうまくいっておらず、でも最後にその女性キャストの父親へのわだかまりが解消されるシーンは感動もの。
「絆の糸電話」は、あの2011年3月の大震災の日を舞台としたお話。
保険金で旅館の借金を返そうと、主人公の宮城の老舗旅館の若旦那が自殺を考えるも、ディズニーシーで大震災に遭遇し、ディズニーシーのキャストの奮闘振りから、自殺を思いとどまるといった内容。
あの伝説となった東京ディズニーランド&東京ディズニーシーのキャスト達のおもてなしのエピソードが描かれてます。
東京ディズニーランドの長い歴史の中、多くのゲストやキャストたちが訪れてますから、色んなエピソードに事欠かないんですね。(どこまでがリアルな話なのかはわかりませんが)
「ディズニーありがとうの神様が教えてくれたこと」のテーマは、「あるべき姿」のようです。
話の重要な部分で、この「あるべき姿」が出てきます。
あるべき姿とは、飾らず、媚びず、嘘をつかず、人の痛みがわかる「人間本来の姿」が、姿なのだ(ウォルト・ディズニー)
だそうです。
それにしても、大震災の日のオリエンタルランドとキャストたちの対応は凄かったんですね。
- 本部に地震対策統括本部を設置し、社長がリーダーとなり陣頭指揮
- キャストの冷静な対応でパニックにならず
- パーク内を歩くゲストたちの防災頭巾の代わりとして、ゲストにダッフィーを配る
- ゲストのお腹を満たすために、ショップのクッキー缶を配布
- ゲストをランドから安全確認の取れたシーへ誘導させるとき、液状化した道路を避けるために、通常では絶対にゲストに見せないファンタジーランドの従業員専用通路を使う(開園28年目にして初めて)
- 寒さをしのぐため、ポリエチレンの使い捨て手袋やお土産の袋を、大きいポリ袋を配り歩く
- 寒さ防止用に、普段はゲストに見せるのは厳禁なダンボール箱を配る
- ゲストの不安を和らげるために、お土産袋の隠れミッキーを探させる
- 長時間じっと座って具合が悪くならないように、軽い運動を提案
- 夕食に、非常用のお湯をかけて食べる「大豆ひじきごはん」を配る
おもてなし、非常時でも徹底してますね!
東京ディズニーランド&シーでは大震災を想定して大規模な防災訓練を行っているので、大震災は想定内だったそうですが、防災頭巾の代わりにダッフィーのヌイグルミを配ったり、商品のお菓子を配布したりなど、キャスト一人一人の独断の判断で、ゲストのために行動できるのは、普通の会社の従業員だったらできないかもしれません。
これは、ウォルト・ディズニーの想いがディズニーのキャストの中で共有化されており、更に、普段からの上司との信頼関係の強さの賜物でしょう。
ここまで徹底している企業はあまりないでしょうね。
冷静に考えると、オリエンタルランドの経営状態に余裕があるからなんでしょうけどね。余裕がないとできません。
逆に、ディズニーの一貫としたおもてなし精神が、今の飛ぶ鳥を落とす勢いのオリエンタルランドにつながっているのかもしれません。
このシリーズ、読むたびに、若いときにディズニーランドかディズニーシーで働いてみたかった・・・と思う今日この頃です。
あ、気になるダッフィーですが、後からキャストに回収されたそうです。
【ディズニーありがとうの神様が教えてくれたこと(鎌田洋)】