久々に星新一のショートショートを読みました。
読んだ作品は、角川文庫のおかしな先祖。
中学生の頃、星新一の本は何冊か読んだ以来。
内容はなんとなくしか覚えてませんが、大人になってから読むと大人の視点で読むので新鮮でした。
角川文庫 おかしな先祖に収録されている作品は以下のとおりです。
- 心残り
- とんとん拍子
- 戸棚の男
- 四で割って
- ほれられた男
- オオカミそのほか
- 倒れていた二人
- ふーん現象
- 所有者
- おかしな先祖
心残り
女にもてなかった死期間近の男3人が、死んだ後に合成人間になって女にもてようとする話。最後のオチが利いている。
とんとん拍子
運の悪い男が、幸運をもたらす時計を手に入れとんとん拍子に幸せになっていく話。
途中は面白かったが、最後のオチはイマイチでした。
戸棚の男
女神ビーナスと結婚した男が、ビーナスに引き寄せられた戸棚にいる男たちに悩むという話。
途中、ちょっとついていけなくなった。
最後のオチはわかってしまった・・・。
四で割って
ギャンブル好きの4人の男の話。死んでもあの世で4人でギャンブル。
オチのインパクトは弱い。
ほれられた男
女にもてたい博士がほれ薬を発明。
タイプの女性にほれ薬をかけようとするも、自動車やウナギにかけて、自動車やウナギに惚れられる始末。
最後のオチはちょっと怖い。
それにしても画期的な薬を発明するほど優秀な博士が、こんなに何回もドジを踏むかな。
オオカミそのほか
オオカミに噛まれるとオオカミ男に、蛇に噛まれると蛇男に、ベッドに噛まれるとベッドになる不思議な体質の男。
最後のオチ、その後が気になるオチ。
倒れていた二人
老科学者が発明した、人の想像力を大きく広げるイマジネーション・ガス。
このガスが外で漏れて大変なことに。
想像力が豊になりすぎて各人の個性が高まると、世間は無秩序状態になり混乱するという・・・ちょっと強引かな。
ふーん現象
「ふーん」と色んなことに対して関心を失う病気が発生し、たくさんの人が発症。
命の危険や他人に対しての危害もない病気。
初めはこの病気を発症した人が奇人扱いされていたが、発症している人が増加して発症していない人の方が少なくなると、少ない人の方がおかしいのではないかということに。
世の中、多数の意見が常識と考えられがちですが、実は少数意見の方が正しかったりもする。ちょっと考えさせられる話。
所有者
世界制服の触媒を発明した博士が、ひょんなことから呪われたダイヤを手に入れる。
この呪われたダイヤを所有すると死んでしまうという。
最後のオチはちょっと衝撃的な終わり方。
おかしな先祖
現代にやってきたアダムとイブの話。
遥か大昔のアダムとイブが現代にやってきたのか。
アダムとイブがなぜ現代にやってきたかという説が、ちょい怖い。
全体的に、昔読んだ星新一の作品に比べると、ちょっと長いです。
最後に星新一のあとがきを読んでわかったのですが、この本の作品はいつものショートショートではなく、少し長目に書いたそうです。
実は、SF落語を試みたとのこと。
なるほど。
確かに落語っぽい。
個人的には、通常のショートショートの方が好き。
この本の各作品は、話が長いので間延びしていて読み疲れました。
【おかしな先祖 星新一 角川文庫】