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風の中のマリア オオスズメバチが愛おしくなる百田尚樹の小説

百田尚樹氏の小説、風の中のマリアを読みました。

風の中のマリアの感想を一言で言うと、あの恐ろしいオオスズメバチが愛おしくなる小説です。


風の中のマリア (講談社文庫)


風の中のマリアに登場するオオスズメバチ、そのほか昆虫は思いっきり擬人化されてます。

擬人化されているのでストーリーに感情が入り込みやすい。

逆に、擬人化されているので残酷な場面も多々あります。

オオスズメバチの幼虫の餌は、昆虫やクモなどなんです。

成虫のオオスズメバチが虫を殺して肉団子にして、巣に運びます。この虫を殺すシーンがなかなか残酷な感じです。

でも、オオスズメバチがここまで殺戮を繰り返す殺人集団だとは知りませんでした。

なんと、カマキリまでも食べるそうです。

で、このマリアはオオスズメバチの働きバチ。

昆虫を狩ったり、敵と戦ったりと、マリアの住むオオスズメバチの帝国(巣)の戦士として活躍します。

オオスズメバチは女王蜂しか卵を産むことができません。

メスのマリアはそのことに疑問を感じながら、帝国のために働き、戦いを続けます。

過酷な世界なので、途中、死んでいく仲間も多いです。悲しい話ですが。

ラストが「永遠の0」のラストと被りました。

そういえばオオスズメバチの帝国は、第二次世界大戦の日本に似ているなぁ・・・

読み終わった後には、過酷な世界を帝国のために命を捧げて生きるオオスズメバチが愛おしくなりました。

オススメの作品です。

ちなみに、オオスズメバチのDNAの話を、なぜか登場するオオスズメバチが話しているのには違和感を感じましたが、勉強にはなりました。

無精卵からもオオスズメバチが誕生するんですね(オスのみ)、不思議。

 

【風の中のマリア 百田尚樹】

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